JANZコラムエッセイ-2

子どもっぽい?日本人

「ラッド首相の支持率74%」。日経にこんな記事が出ていた。ホーク首相の最高記録75%にあと1%及ばなかったという。オバマ米大統領も一時下がったとはいえ60%台。どこかの国とはずいぶん違う。

ラッド首相といえば初の外遊で米欧中を歴訪し、日本に立ち寄らなかった。中国勤務の経験がある中国通と知られていたので

「やっぱりジャパン・パッシング」と話題になった。その後、北海道サミットなどで2回来日し、議論は静まった。

オバマ大統領の時にも、ジャパン・パッシングを懸念する声が出た。麻生首相が初の外国首脳としてホワイトハウスに招かれ、その後、ヒラリー・クリントン国務長官が東アジア歴訪の際に、まず日本に来て収まった。ラッド首相の騒動を見てアメリカがスマートに対応したのかもしれない。

外務省OBによると、クリントン国務長官の東アジア歴訪は、東アジア政策を再構築するためという。ブッシュ時代はアフガン・イラクに忙しく、北朝鮮の核には取り組んだものの、東アジア全体の包括的な外交戦略はないに等しかった。これを立て直すのが真の狙いであり、日本に最初に来たといって一喜一憂する話ではないそうだ。

日本人は諸外国が自分のほうを向いているかどうかをよく気にする。アメリカなど識者の意見を読むと、日本が地域の安定や発展のために、いかに活動するかが重要であり、活躍していれば諸外国は日本に注目する。要は日本が国力に見合った貢献をしていないと示唆する。

ただ、国際貢献といっても、資金面ならともかく平和憲法の制約もあり、地域の安定のためといって自衛隊を簡単に海外に派遣するわけにもいかない。本来なら日本の国際貢献の基本的な方針と活動計画を海外に説明し、もっとPRすべきなのだろうが、どのような国際貢献を目指すのかについても、国内で必ずしも十分な議論を闘わせたわけでもない。PKOにしろ、海賊対策にしろ、問題に直面したあとでパッチワークよろしくその場かぎりの議論を繰り返している印象は否めない。

あるオーストラリア外交筋はこんなことを言っていた。「日本はラッド首相のことを言うが、08年には首相も含めて12人の大臣がのべ20回日本に来た。これに対して日本からオーストラリアにきた大臣は何人いるか知っているか?一人も来なかった」。

他国が日本をどう見ているかではなく、日本が他国(世界)にどういう姿勢を打ち出し、国際貢献に取り組むのか―――問われているのは自分自身ということのようだ。