JANZコラムエッセイ-4

順調に進展・JANZの連携――ただしラグビーの話

日本のラグビーが面白くなってきた。「どちらが勝っても初優勝」と注目を集めた大学ラグビー選手権決勝は、帝京大学が東海大学を一点差で破る薄氷の勝利。社会人はトップリーグの2強、どちらも無敗の三洋電機とサントリーが激突、16-16の引き分け。いずれも手に汗握る好試合だった。

昨年は日本のラグビーファンにとって記憶に残る年になった。第1に悲願だったラグビーワールドカップの日本開催(2019年)が決まり、第2に7人制ラグビーが2016年、2020年のオリンピック種目となった。さらに来日したカナダ代表とのテストマッチに2連勝し、世界ランキングで過去最高の13位となった。10月末にはニュージーランド・オールブラックスとオーストラリア・ワラビーズの定期戦、ブレディスロー・カップが東京で開催され、世界最強の2チームの試合を見ることができた。

ワールドカップ(WC)には日本は1987年の第1回から参加しているが、勝ったのは第2回のジンバブエ戦の1回だけ。前回の第6回では最後にトライをとってやっとカナダと引き分けた。後は18敗という、“見事な戦績”だ。おまけに第3回では、オールブラックス相手に17-145という最多失点記録保持者でもある・・・。こんな日本がWC杯開催国になるのは、なぜだろう?

とりあえずの答えとしては、日本は東アジアではナンバーワンの実績があり、かつてはイングランドと3-6の接戦を演じ、オールブラックスのジュニア・チームを破ったこともある。人数ではサッカーに見劣りするが、熱心さでは負けないファンも多い。もうすぐ3位に落ちる見込みとはいえ経済大国としての資金力に期待されていることもありそうだ。

しかし、これだけでは開催国になるほどのことではない。背景にはラグビーをもっと世界に広めたいというIRB(国際ラグビー評議会)の意向があるからと見られている。ラグビーを愛好するのは旧英連邦に属していた国が多い。WCが始まってからラグビーをやる国は増えているが、サッカーほどの厚みと広がりがない。オリンピック種目になかなかなれなかったのもそのせいだ。日本は前述したような実績もあり、経済力も意欲もある。そこでWCの日本開催をアジア・太平洋地域にラグビーを普及させる起爆剤にしようとしている、というわけだ。

実際、IRBは近年、パシフィック・ネイションズ・カップという二位グループ強化を目的にした環太平洋諸国の国際大会を開催している。参加国は日本、トンガ、フィジー、サモア、オーストラリアA代表、ニュージーランドマオリの6チーム。オーストラリア、ニュージーランドという強国のサブ・チームと3つの島嶼国、そして日本を加えてラグビー人気と実力の底上げを図っている。

それでは期待にこたえて日本ラグビーは強くなれるのか? 今のところ、徐々にその効果は現れている。特に日本代表監督、元オールブラックスの名ウイングのジョン・カーワンは、「勝ち方を知らない日本チームに勝つ方法を教え、自信を付けさせる」として着実に成果を上げている。俊敏さと低いタックル、そして組織力という日本の強みを発揮すれば、十分世界に通用するのに、日本人は自信がないために勝てる試合も落としているというのが、カーワン氏の診断だ。

また、IRBとは関係はないにしろ、帝京大、東海大、そして三洋、サントリーにはニュージーランドやオーストラリアの名選手が入り、活躍している。最近はコーチ陣にもニュージーランドやオーストラリア出身の有名人が入っている。ラグビーの世界では、日・豪・NZ(JANZ)の連携は強力にできていると言えそうだ。