コラム
2022 ANZAC DAY 献花[2022-04-26]New
4月25日、3年ぶりにANZAC Dayの式典が、横浜の英連邦墓地でNZ大使館が担当して行われました。上田会長と稲留理事が参列し、JANZとして花輪を捧げました。
第1次大戦の際に、豪州とニュージーランドの部隊(Australia and New Zealand Army Corps) がトルコ戦線に動員され,(日本の軍艦「伊吹」がインド洋を護衛した)、トルコのガリポリに上陸作戦を敢行し、多大の犠牲を出したのですが、それ以来、両国が参戦した諸戦争での犠牲者を悼む日になった経緯があります。
式典は、ニュージーランドとカナダの兵士の墓が並ぶ一角で行われました。クーパー・ニュージーランド大使の式辞、両国国歌の演奏、トルコ大使の献辞(ケマル・アタチュルクの言の引用)に続き、記念碑に花輪の捧呈が行われ、両国大使や連合国の代表等に続き、JANZ会長も花輪を捧呈しました。 その後、鎮魂ラッパの演奏、黙祷と続き、最後にアダムス豪州大使の「我々は忘れない」との献辞に参列者が唱和して式典が終わりました。続いて、豪州兵の墓地に移動し、花輪の捧呈が同様に行われました。
毎年JANZ代表が参列する慣例になっています。
2022年 新年のご挨拶[2021-01-01]New
JANZ会員の皆様、ゲストの皆様、新年あけましておめでとうございます。
2021年は、コロナ禍の下でJANZの活動も制約を受けましたが、新年会、講演会をON-LINEで開催し、春秋のゴルフ大会は集まって開催出来ました。
東京オリンピック・パラリンピックでは会場での応援は出来ませんでしたが、予想通り、開催国日本はもとより、オーストラリア、ニュージーランド選手が大活躍をしました。
自由と民主主義、人権を尊重する価値観を共有する両国と日本の関係は、ますます発展しており、QUAD(日、米、豪、印)の協力関係が強化され、3国とも加わっているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)が、この1月1日より発効するので、経済関係も一層進展することが期待されます。
世界がコロナ過を克服し、自由に往来できる日が来ることを念じつつ、皆様のご健勝とJANZの発展を祈念いたします。
2022年 元旦 JANZ会長 上田秀明
オーストラリア山火事 復旧支援の寄付について[2020-01-25]New
by https://www.nsw.gov.au/
昨年からオーストラリア全土で、森林火災が拡大し、焼失面積は、1200 万ヘクタール以上、
死者も 20 名以上、多くの野生動物にも深刻な被害が及びました。
その後、大雨があり、洪水なども発生しましたが、山火事は鎮火の方向に向かっているようです。
これから、復旧が始まります。
JANZ では、被災地の復旧支援のため、支援金の寄付を受け付けております。集めた支援金は、
Australian Red Cross (https://www.redcross.org.au/ )を通じて山火事で被災した住民たちへの支援
及び復旧支援に使われます。皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
振込先は以下のとおりです。
① 三菱UFJ銀行 目白駅前支店 店番174 口座番号0104875
「公益社団法人日・豪・ニュージーランド協会」シャ)ニチゴウニュージーランドキョウカイ
② ゆうちょ銀行 店名〇一八 店番018 口座番号3447680
「公益社団法人日・豪・ニュージーランド協会」シャ)ニチゴウニュージーランドキョウカイ
※当該寄付は、寄附金控除の対象となります。
寄付金領収書の発行については、JANZまでお問い合わせください。
2020年を迎えるにあたって[2019-12-30]New
2019年に、日本は令和の新時代を迎えました。
今上陛下御夫妻は、かつてオーストラリア、ニュージーランドを御訪問されており、JANZの記念行事に御臨席いただいたことがあります。 JANZ会員一同、あらためて御即位をお祝いし、常に日本国民の幸福と世界の平和を祈念される皇室の弥栄をお祈り申し上げます。
新年には、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、2019年のラグビー・ワールドカップと同様に、日本とともに、オーストラリア、ニュージーランド両国の選手たちの活躍が期待されます。 JANZ会員は、3国選手の応援に忙しくなることでしょう。
2019年には、日本では台風、豪雨、オーストラリアでは大規模森林火災、ニュージーランドでは火山噴火など様々な自然災害にみわれましたが、2020年にはこのような災害から復興し、前進することと信じます。
JANZは、これからもオーストラリア、ニュージーランドとの関係の発展にいささかなりとも貢献できるような活動を続けていきます。
会員各位にとって2020年が良き年となることをお祈りいたします。
JANZ会長 上田秀明
草賀元AUS大使 特別講演会【終了】[2019-10-02]終了
2018年8月3日 外務省精励会・大手町倶楽部において、
JANZ 特別講演会を開催しました。
講演者は前駐オーストラリア日本国特命全権大使の草賀 純男氏で、演目は「最近の豪州情勢と日豪関係について」でした。
豪州の内政情勢から政府の貿易・投資政策、日豪経済関係にいたるまで、詳細なデータとご経験に基づき、鋭い分析と同時に時折ユーモアセンスたっぷりに一時間語ってくださいました。
講演終了後も、豪州駐在経験者で商社勤務の方や、豪・ニュージーランド金融機関の方、IT業界や外交官と、各界の皆様からの熱心な質問に対して草賀元大使は丁寧にお答えになり、納得した皆さんからは盛大な拍手が送られました。
参加者達からは、とても勉強になったのでシリーズ化してほしいという声があがり、主催側も検討したいとお答えしました。
本日は猛暑の中、草賀前駐オーストラリア大使には、素晴らしいご講演を有難うございました。
またご聴講の皆様にはご参集頂き、有難うございました。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
第17回オーストラリア大使杯ゴルフコンペ【終了】[2019-10-02]New
第17回オーストラリア大使杯ゴルフコンペは7月23日、35名の参加を得て武蔵丘ゴルフコースで行われました。
オーストラリア、ニュージーランドの参加者は9名、女性プレイヤーも11名参加、賑やかな大会でした。
優勝はアンズコフーズの金城 誠さん。オーストラリア大使館を代表してDavid Lowe公使が優勝者に
大使杯を授与しました。本来の賞品のほかに多数の賞品の寄贈があり、賞品授与のパーティーは大いに盛り上がりました。
次回はニュージーランド大使トロフィーコンペを太平洋クラブ市原コースで11月に開催します。
報告: 金井 正
ニュージーランドのテロ犠牲者への哀悼の意[2019-03-15]New
本日、ニュージーランドのクライストチャーチで、痛ましいテロ事件が発生し、多数の方々が犠牲になられました。ニュージーランドを愛し、日本とニュージーランドとの友好親善の推進を心がけるJANZの会員は、犠牲になられた方々、御家族、友人、そしてニュージーランドの国民に心より哀悼の意を表します。
世界で最も自由、平等、人権が尊重されているニュージーランドで、このような卑劣な憎むべき犯罪が発生したことは、にわかには信じられないことです。しかし、自由を愛するニュージーランド国民は、必ずやこの惨劇を乗り越えて前進して行かれるであろうことを確信しています。
JANZ会員を代表して、ニュージーランド国民に連帯の気持ちを送ります。
2019年3月15日 JANZ会長 上田秀明
「あんずの周辺」 第4回[2010-01-10]
JANZコラムエッセイ-4
順調に進展・JANZの連携――ただしラグビーの話
日本のラグビーが面白くなってきた。「どちらが勝っても初優勝」と注目を集めた大学ラグビー選手権決勝は、帝京大学が東海大学を一点差で破る薄氷の勝利。社会人はトップリーグの2強、どちらも無敗の三洋電機とサントリーが激突、16-16の引き分け。いずれも手に汗握る好試合だった。
昨年は日本のラグビーファンにとって記憶に残る年になった。第1に悲願だったラグビーワールドカップの日本開催(2019年)が決まり、第2に7人制ラグビーが2016年、2020年のオリンピック種目となった。さらに来日したカナダ代表とのテストマッチに2連勝し、世界ランキングで過去最高の13位となった。10月末にはニュージーランド・オールブラックスとオーストラリア・ワラビーズの定期戦、ブレディスロー・カップが東京で開催され、世界最強の2チームの試合を見ることができた。
ワールドカップ(WC)には日本は1987年の第1回から参加しているが、勝ったのは第2回のジンバブエ戦の1回だけ。前回の第6回では最後にトライをとってやっとカナダと引き分けた。後は18敗という、“見事な戦績”だ。おまけに第3回では、オールブラックス相手に17-145という最多失点記録保持者でもある・・・。こんな日本がWC杯開催国になるのは、なぜだろう?
とりあえずの答えとしては、日本は東アジアではナンバーワンの実績があり、かつてはイングランドと3-6の接戦を演じ、オールブラックスのジュニア・チームを破ったこともある。人数ではサッカーに見劣りするが、熱心さでは負けないファンも多い。もうすぐ3位に落ちる見込みとはいえ経済大国としての資金力に期待されていることもありそうだ。
しかし、これだけでは開催国になるほどのことではない。背景にはラグビーをもっと世界に広めたいというIRB(国際ラグビー評議会)の意向があるからと見られている。ラグビーを愛好するのは旧英連邦に属していた国が多い。WCが始まってからラグビーをやる国は増えているが、サッカーほどの厚みと広がりがない。オリンピック種目になかなかなれなかったのもそのせいだ。日本は前述したような実績もあり、経済力も意欲もある。そこでWCの日本開催をアジア・太平洋地域にラグビーを普及させる起爆剤にしようとしている、というわけだ。
実際、IRBは近年、パシフィック・ネイションズ・カップという二位グループ強化を目的にした環太平洋諸国の国際大会を開催している。参加国は日本、トンガ、フィジー、サモア、オーストラリアA代表、ニュージーランドマオリの6チーム。オーストラリア、ニュージーランドという強国のサブ・チームと3つの島嶼国、そして日本を加えてラグビー人気と実力の底上げを図っている。
それでは期待にこたえて日本ラグビーは強くなれるのか? 今のところ、徐々にその効果は現れている。特に日本代表監督、元オールブラックスの名ウイングのジョン・カーワンは、「勝ち方を知らない日本チームに勝つ方法を教え、自信を付けさせる」として着実に成果を上げている。俊敏さと低いタックル、そして組織力という日本の強みを発揮すれば、十分世界に通用するのに、日本人は自信がないために勝てる試合も落としているというのが、カーワン氏の診断だ。
また、IRBとは関係はないにしろ、帝京大、東海大、そして三洋、サントリーにはニュージーランドやオーストラリアの名選手が入り、活躍している。最近はコーチ陣にもニュージーランドやオーストラリア出身の有名人が入っている。ラグビーの世界では、日・豪・NZ(JANZ)の連携は強力にできていると言えそうだ。
「あんずの周辺」 第3回[2009-09-21]
JANZコラムエッセイ-3
“親中派”の笑顔の背後で
「親中派ラッド豪首相が路線転換?」こんな記事が6月に相次いだ。と思ったら、7月下旬にはオバマ米大統領がワシントンで「米中が21世紀を形作る」(米中戦略・経済対話会議)と中国を持ち上げた。この会議では米国側が中国の故事をスピーチに引用すれば、中国側は「イエス・ウィー・キャン」と応じるなど、いよいよG2時代という雰囲気を演出した。
親中派が強調されがちなラッド首相だが、実は初外遊した時の演説では、中国の歴史や文化を称える一方で、チベットでの人権問題の平和的な解決を目指すべきであると発言し、後で中国政府が抗議するといういきさつがあった。これに比べ今回のオバマ大統領はチベットや新疆ウイグルなどの人権問題には一切、触れずじまい。ラッド首相のほうがスジは通っていると言えるだろう。
ラッド首相が「親中派から転換」と言われる理由は次の通りだ。一つはオーストラリアが5月に公表した国防白書。このなかでオーストラリアは中国の軍備増強への懸念を表明し、将来のシーレーン防衛のために海軍力強化を打ち出した。
この後、発生したのが中国アルミの英豪系資源大手リオ・ティントへの出資問題。国益の観点からオーストラリア政府が待ったをかけ、ご破算になったとされる。この問題は中国がリオ・ティント社の上海支社の幹部社員4人を贈賄などの容疑で拘束するなど、まだ尾を引いている。
このほか、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席の訪豪をめぐって、中国側が主席に入国ビザを発給しないように要請したが、オーストラリア側は応じなかった、という軋轢もあった。
オーストラリアに限らず、アフリカやカナダなどの資源をめぐって急速に手を広げ、国際政治面でも存在感を増している中国。その巨大さと強いプレッシャーがオーストラリアとの摩擦を生むに至った。
それでは、なぜアメリカは“親中派”ムードを演出しているのだろう?
よく言われるのは、米国にとって中国は世界最大の米国債保有国であり、中国が米国債を大量に売却すると米国のドル相場や金利などマーケットはガタガタになるから、という理由だ。しかし、もしそうなれば世界経済も大混乱し、中国にとっても決して得策ではない。
対中貿易赤字など米中間の経済問題ももちろん無視はできないが、なによりもアメリカが今後の世界戦略を展開するうえで、いまや中国の協力が欠かせないのが最大の理由ではないだろうか。
例えば、北朝鮮問題一つ取ってみても北朝鮮に本当に圧力を加えることが出来るのは、中国しかいない。問題は北朝鮮にとどまらない。イラン問題もある。
オバマ大統領は、破綻しつつある核拡散防止条約(NPT)を立て直すために、「核の無い世界」を目指す方針を打ち出した。インド、パキスタン、さらに北朝鮮、イランと広がる核問題に対処するためには、各国が改めて歩調をそろえ、世界全体で核不拡散→縮小に取り組む気運を作り出す必要がある。そのためにも中国の協力は欠かせない。
というのもNPTで核兵器保有を認められている米・英・仏・露・中の5カ国のうち、ロシアとの間ではすでに核保有数の削減などの交渉で歩み寄っている。独仏も冷戦構造が崩壊した今、核に執着する必要性は薄れた。現時点では中国が一番、軍備拡充に力をいれている国だからだ。
中国には沿岸と内陸の格差をはじめ解決すべき問題もあり、米中を本当にG2と呼べるのは、先のことと思われる。しかし、アメリカはG2時代に備えた枠組みに乗り出したということだろう。
しかし、こうした総論と個々の問題はまた異なる。外交折衝でやり手の中国のこと、親善の笑顔の裏で厳しいやり取りが繰り広げられることになりそうだ。
「あんずの周辺」 第2回[2009-04-10]
JANZコラムエッセイ-2
子どもっぽい?日本人
「ラッド首相の支持率74%」。日経にこんな記事が出ていた。ホーク首相の最高記録75%にあと1%及ばなかったという。オバマ米大統領も一時下がったとはいえ60%台。どこかの国とはずいぶん違う。
ラッド首相といえば初の外遊で米欧中を歴訪し、日本に立ち寄らなかった。中国勤務の経験がある中国通と知られていたので
「やっぱりジャパン・パッシング」と話題になった。その後、北海道サミットなどで2回来日し、議論は静まった。
オバマ大統領の時にも、ジャパン・パッシングを懸念する声が出た。麻生首相が初の外国首脳としてホワイトハウスに招かれ、その後、ヒラリー・クリントン国務長官が東アジア歴訪の際に、まず日本に来て収まった。ラッド首相の騒動を見てアメリカがスマートに対応したのかもしれない。
外務省OBによると、クリントン国務長官の東アジア歴訪は、東アジア政策を再構築するためという。ブッシュ時代はアフガン・イラクに忙しく、北朝鮮の核には取り組んだものの、東アジア全体の包括的な外交戦略はないに等しかった。これを立て直すのが真の狙いであり、日本に最初に来たといって一喜一憂する話ではないそうだ。
日本人は諸外国が自分のほうを向いているかどうかをよく気にする。アメリカなど識者の意見を読むと、日本が地域の安定や発展のために、いかに活動するかが重要であり、活躍していれば諸外国は日本に注目する。要は日本が国力に見合った貢献をしていないと示唆する。
ただ、国際貢献といっても、資金面ならともかく平和憲法の制約もあり、地域の安定のためといって自衛隊を簡単に海外に派遣するわけにもいかない。本来なら日本の国際貢献の基本的な方針と活動計画を海外に説明し、もっとPRすべきなのだろうが、どのような国際貢献を目指すのかについても、国内で必ずしも十分な議論を闘わせたわけでもない。PKOにしろ、海賊対策にしろ、問題に直面したあとでパッチワークよろしくその場かぎりの議論を繰り返している印象は否めない。
あるオーストラリア外交筋はこんなことを言っていた。「日本はラッド首相のことを言うが、08年には首相も含めて12人の大臣がのべ20回日本に来た。これに対して日本からオーストラリアにきた大臣は何人いるか知っているか?一人も来なかった」。
他国が日本をどう見ているかではなく、日本が他国(世界)にどういう姿勢を打ち出し、国際貢献に取り組むのか―――問われているのは自分自身ということのようだ。