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ニュージーランド・オタゴ博物館への能面寄贈(現地)

2010年5月11日(火) 開催終了

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能狂言面のニュージーランドの博物館への寄贈
設楽 清(前専務理事) ポスター Otago Daily Times  March.27.2009

今年の3月下旬に私は妻同伴で、ニュージーランド(以下NZ)の南島のダニーデン市にあるオタゴ博物館を訪問、携行した新作の能狂言面19点を寄贈してきました。

この寄贈は、私が習っている能面教室「赤泥舎」の主宰者(伊藤通彦氏)とその会員(その多くは10年以上の面打ち経験者)9名から協力いただいた、主に自作の能面12点狂言面7点を、JANZを通して行ったものです。面(おもて)とともに、徳嵩よし江さん(松本市在住、藍染の布地を使用して作品を制作)から素晴らしい正絹の古布を使用して作製した面袋が寄贈されました。

オタゴ博物館は1860年代に創立されたNZ最古の博物館の1つで、ダニーデン市は1980年から小樽市と姉妹都市関係にあることからその25周年に同市総合博物館が市民から募った和服の古着200着がオタゴ博物館に寄贈され、大切に保管されています。一方、今回の面の寄贈はNZのアジア・ニュージーランド財団の斡旋によって実現したものです。

先方へ確実に手渡すことが私の任務でしたが、この点、面の取り扱いはその素材(多くは木曽檜)、使用されている顔料等のために損傷しやすく十分慎重でなければならなかったほか、NZは農業を主要産業としているために動植物検疫が厳しいと言われるので事前準備を十分に行う必要がありました。3月24日成田からクライストチャーチ着、面は全て損傷ないことを確認、検疫については、当方は博物館側の求めによりそれぞれの面について詳細なデータを事前に提出、博物館側も種々協力、手配をしてくれた結果、幸い大変スムーズに済ませることができました。

26日にクライスチャーチからダニーデンに到着、空港からオタゴ博物館に直行し、面の引き渡しを済ませて無事任務を果たすことができ安堵しました。ダニーデンには30日まで滞在、その間博物館関係者に対する面についての説明、一般向け講演、館内参観などについて博物館側から大変お世話になりました。また新聞取材も受けました。博物館自体は、数年前に全面改修されたとのことで近代的な設備が整っており、地下の貯蔵庫も空調が完備されているなど、面の保存には全く問題ないことも確認できました。

オタゴ博物館の運営には地元行政からの支援もありますが、企業・一般市民からの寄付、博物館の売り上げ(ミュージアムショップ、レストラン等)を主要収入源とし、常設展示は無料、60名ものスタッフを擁しその多くは若い職員であること、所蔵品の管理等にコンピューターが最大限に利用されているとのことでした。同市は人口12万人程の都市で主要産業は農業ですが、この博物館のような大変立派な文化的公共財を有し、これを地元官民が熱心に支えていることに強い印象を受けた次第です。

 

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